突然ですが、誰かに「空手の打撃技で、お腹を突いたら、背中に衝撃や痛みを与える突き方がある」と言われたら、あなたは信じますか?
ここではもしも、空手において、そのような突き方があるとするのなら、本当にできるのか、そして、できるとするのならば、どのように練習すればよいのかについて、述べてみたいと思います。
「裏当て」ってどんな技?
「裏当て」とは、通常の突きとは違い、突きのインパクトがあった部分を貫通して、その真裏で痛みや衝撃を感じる突き技です。
通常の空手での突きは、突きのインパクトがあった部分の周囲か、内部であっても、インパクトのあった直近の内部で痛みを感じます。
しかし、裏当ての場合、例えばお腹に一発もらうと、背中に痛みや衝撃を感じます。
「るろうに剣心」を読んだことがある方でしたら、相楽左之助の必殺技「二重の極み」がそれに類似したものですので、ご理解いただけるかと思います。
裏当てのメカニズムとは?練習方法はあるのか?
上述の相楽左之助の「二重の極み」は「1発目の打撃で物体の抵抗力を殺し、瞬時に2発目を打ち込むことで完全に破壊する」原理だそうです。
國際松濤館空手道連盟の金澤弘和宗家も「一度突きを当ててから、瞬時に肩を入れて二度極めを行う」と仰っています。
「二重の極み」の方は、物語的に誇張された表現となっているものの、瞬時に2発目を入れることによって、衝撃を浸透させるメカニズムは、裏当てと共通しております。
それゆえ、「二重の極み」は、裏当てなどの実在の技を参考に創作されたもの、といってもよろしいでしょう。
昨今では動画サイトなどでも、空手のデモンストレーションの動画で、実際に裏当てを行っているところもアップされ、現実に可能な技であることが周知されるようになりました。
とはいうものの、裏当てを会得するための情報が乏しいため、動画を参考に、各自での研究に委ねるより他はありません。
ただ、練習方法としては、誰かにビッグミットを体に密着するように抱えてもらって、衝撃や痛みが背中に感じられるかどうか確かめながら、ただひたすら打ち込んでいく方法があります。
その練習の中で、いかに瞬時に二度打ちできるか、いかに2発目の際に肩を入れていくかを、各自で研究していくことによって、会得していくしかありません。
まとめ
裏当ては、あくまでもフィクションではなく、実際に繰り出すことが可能な技です。
しかし、難易度の高い技であるだけに、各自の研究や練習によって、身につけていかなければならない技です。
裏当てを極めたいならば、ただひたすら練習に打ち込み、それを粘り強く継続していくことが、会得への近道となるのです。