空手の中段の受け技で、内受けと外受けがありますが、流派や道場によっては、その呼び名に対する動作が全く逆となることがあります。
なぜ、そのようなことになるのか、呼び名が逆になる流派はどこなのか、これから説明していきます。
空手の中段受けには2種類ある
空手の基本稽古で行われる中段受けの動作では、一般的には2種類の受け方があります。
1つ目は、腕を体の外側から内側にはじくやり方です。
相手からの中段突きが来た際に、受けた手と反対側に、その攻撃をはじく受け方です。
もう1つは、腕を体の内側から外側にはじくやり方です。
受ける側の腕を上にする形で両腕をいったんクロスさせてから、外側へとはじきます。
相手からの中段突きを、受けた手側にはじく受け方です。
ほとんどの空手の流派や道場では、前者を「内受け」、後者を「外受け」と呼んでいます。
前者の受け方は、外から「内」に「受け」るから「内受け」、後者の受け方は、内から「外」に「受け」るから「外受け」となり、最後の挙動が基準となります。
内受けと外受けが全く逆になってしまう、その理由とは? 流派とは?
ところが、流派や道場によっては、その呼び名が逆になる場合があり、上述の前者を「外受け」、後者を「内受け」と呼ぶところがあります。
そのようなところで、なぜ逆の呼び名で呼ぶのかといいますと、前者は「外」から内に「受け」るから「外受け」、後者は「内」から外に「受け」るから「内受け」という理由だからだと言われています。
つまり、最初の挙動基準か、最後の挙動基準かで、その呼び名が全く逆になってしまうのです。
もともと松濤館流において、内受けと外受けを逆に呼んでいました。
松濤館流では、一般的に「内受け」と呼ぶところを「外腕受け」と呼び、「外受け」と呼ぶところを「内腕受け」と呼んでいました。
それが後になって「外腕受け」が「外受け」、「内腕受け」が「内受け」となりましたが、混乱を招きやすいために、呼び名を他の流派に合わせるようになりました。
しかし、一部の松濤館系の流派や道場では、今でも「内受け」と「外受け」を、逆で呼んでいるところが残っていますので、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
以前、他の流派で空手を習っていた方が、別の流派で改めて習い始める際、中段受けの呼び名について、内受けと外受けの呼び名が全く逆になる場合があります。
入門した際には、その道場での呼び名に早く馴染んで、混乱しないようにご注意下さい。