本土の空手と沖縄空手・5つの違い

皆さんはひと口に「空手」と聞くと、伝統系の空手か、フルコンタクト系の空手のいずれかを連想するかと思います。

しかし、沖縄空手と本土の空手との違いについて聞かれたときには、どう答えてよいか悩むところでしょう。

ここでは、沖縄空手と本土の空手の違いにつきまして、空手が沖縄で生まれてから、本土に伝来して広まるまでの経緯とともに、述べてみたいと思います。

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空手のルーツと本土への広まり

源流といわれる沖縄空手のルーツですが、諸説はありますが、一般には琉球王朝時代のころ、沖縄固有の武術「手(ティー)」に、中国武術や日本武術が融合されてできた、と言われています。

その後、明治期に本土で初めて紹介され、大正期に船越義珍先生や本部朝基先生をはじめとする方々の指導によって、本格的に伝播することとなりました。

以後、各流派が生まれ、ルール等の整備が行われてからは、爆発的に競技人口も増え、世界的にも知られる日本の武道として、現在に至っております。

日本国内にある各流派・団体も海外に支部を置き、現地にて指導が行われている他、空手に憧れて日本で空手を学ぶ外国人の方も、多くいらっしゃいます。

本土の空手と沖縄空手のどこが違うの?

それでは、空手が広く浸透した現代において、古来からの伝統を保ち続けている沖縄空手と、沖縄から伝来後、様々なアレンジを経て発展した本土の空手とを比較してみましょう。

ここでは、沖縄空手と本土の空手との、5つの違いについてご紹介いたします。

武道かスポーツか

本土において、空手のルールが整備され、安全面においても保証できるようになり、そのことが、空手の普及にもつながった一因でもあります。

しかし、明確なルールの整備によって、西洋化あるいはスポーツ化された面もあることは、否めません。

しかし、沖縄空手は本来戦闘術だったものが武道として昇華されて、現在まで伝統を保ち続けています。

打撃技以外の技

先述のように沖縄空手は、沖縄古来の武術と日本や中国の武術とが融合して確立されたものであり、突きや蹴りといった打撃技以外にも、投げ技や関節技も存在しております。

しかし、本土で広まるうちに、沖縄空手固有の投げ技や関節技が失伝するとともに、各流派や団体の創始者によって、他の武道や格闘技からの技を取り入れるなどして、本土の空手は沖縄空手と別の歩みを見せるようになりました。

流派

今でこそ、沖縄にも本土の空手の流派や団体が進出してきていますが、伝統的な沖縄空手には、以下の「三大流派」と呼ばれる代表的な流派をはじめ、数々の流派が今もなお、活動しています。

・上地流
・剛柔流
・小林(しょうりん)

本土では、下記の流派が「四大流派」と呼ばれ、もちろん、その他にも様々な流派があります。

・剛柔流
・糸東流
・松濤館流
・和道流

剛柔流と松濤館流は、沖縄にも同じ名称の流派がありますが、それらをベースに本土で発展してゆきました。

上記の四大流派をベースに、一方では極真会館をはじめとするフルコン系の流派が発展し、もう一方では伝統系各派が集結し、全日本空手道連盟(全空連)が発足しました。

稽古内容

沖縄空手では、型で動きや体の使い方を覚えるとともに、重い物を持った状態での移動や、手や拳などを硬い物にぶつけるなどの鍛錬を中心に行い、組手は約束組手以外は行われません。

本土の空手でももちろん、型稽古を行いますが、沖縄空手ほどは時間を割きません。

突きや蹴りの基本稽古や移動稽古、約束組手や自由組手・スパーリングなど、こなさなければならないメニューが多く、それらを稽古時間内に収めなければなりません。

そのため、鍛錬に関しては、稽古時間外や自由稽古の時間に、各自自主的に行うことになります。

稽古場所

稽古場所に関しては、近年、本土においては、貸しホールやスポーツ施設、あるいは商業ビルのテナントで入居する形で、大人数が参加できる教室や道場が多く見かけられるようになりました。

けれども、本場沖縄では今でも、個人の敷地内に道場を構えた、比較的小規模な道場が多く見かけられます。

まとめ

一見同じように感じる、本土の空手と沖縄の空手ですが、上記に挙げたように、その内容に違いがあります。

海外からはるばる日本へ空手を学びに来る外国人の方々の中には、沖縄空手にこだわり、沖縄で空手を学ぶ方もいらっしゃいます。

いずれの空手にも、それぞれに多彩な持ち味があります。

これから空手を始めようとお考えの方は、これをご参考に、その道場の流派にも着目しながら、道場選びをなさってみて下さい。

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