これまで武道や格闘技経験のない方が、40代から空手を始めるにあたり、年齢面や体力面において、大いに不安を抱くことでしょう。
けれども、心配はご無用です!
これから述べる「3つの柱」に着目して、あなたに合った道場をお探しになれば、きっと入門後も、楽しく長く続けられるかと思います。
それでは早速、その「3つの柱」について述べていきます。
目次
3つの柱―あなたは空手に何を求めますか?
1つ目の柱―志(こころざし)
世の中、順風満帆な人生を送っている方ばかりではありません。
社会的・経済的格差やシビアな人間関係、そして様々なトラブルに直面して、心身ともに追い込まれることもあるかと思います。
40代から空手を始める方の中には、このような状況の下、空手に思いを託した方も多いことでしょう。
まずは空手を選んだきっかけと、空手を通して自分がどう変わりたいのか、その「志」をいつまでも忘れることなく、大切にしましょう。
2つ目の柱―仕事や家庭との両立
40代から空手を始める方の多くは、ご家庭をお持ちかと思います。
仮に単身の方でも、高齢の親御さんがいらっしゃれば、介護のために時間を割かなければなりません。
そのため、家事や育児、そして介護などと並行しながら空手を始めることができるかどうか、十分検討する必要があります。
また、いちばんのネックが「仕事との両立」です。
世間では「働き方改革」とは言いますが、大多数を占める中小企業では依然、長時間労働・休日出勤は当たり前の状況にあります。
そのような職場でも、仕事と両立して空手に取り組めるかどうかが、大きな鍵となります。
3つ目の柱―方向性
一口に空手といっても様々な種類があり、型や基本稽古中心のスタイルもあれば、組手を行うスタイルもあります。
また、組手だけを取り上げても、攻撃の手足が相手の体に触れたらすぐ引く「寸止め」のスタイルや、「フルコンタクト」と言われる直接打撃制、さらに顔面や急所への攻撃ありのスタイルや、投げや関節技を取り入れた流派まで、多種多様な種類があります。
40代から空手を始めようとを考えている皆さんにも、様々な思いがあることかと思います。
その思いは人それぞれですが、空手を始めるにあたり、あなたの目指す方向性について明確にしましょう。
いざ、道場選びへ!
3つの柱に着目した道場選びを
では早速、先に述べた「3つの柱」に従って、今度は道場選びを始めましょう。
まずは「志」。
空手を始める気持ちに至ったその思いは、まだ失ってはいませんよね?
そうしましたら、仕事や家庭との両立が可能か、検討してみましょう。
また、習いたての間は、長らく動かしていなかった体の各部位を動かしますので、基本や移動稽古だけでも、かなりきついかもしれません。
稽古時間の他にも、ある程度の休息時間も確保して、時間に余裕を持たせましょう。
そこから、稽古に通える曜日や時間帯を検討してみましょう。
次に、あなたの求める空手の方向性と通いやすさ、どちらを天秤にかけるかを検討しましょう。
自宅から通うのか、仕事帰りに立ち寄るのか、あるいは求める空手がその道場しかないのでそこに通うのか、人それぞれあるかと思います。
いずれにせよ、稽古に通うことが重荷にならないように、十分検討しましょう。
そして、ホームページで検索して情報を集めて、実際に問い合わせや見学・体験を行い、あなた自身の目で、その雰囲気を見てみましょう。
見学の際のポイント
まずこれは社会人としてのマナーですが、問い合わせや見学の際は、失礼のない文体あるいは言動・態度に気を付けましょう。
また見学日時の指定を受けましたら、時間はきっちりと守り、もしも急な用事で都合が悪くなった場合には、必ずその旨連絡を入れましょう。
見学の際は、以下の点に着目して見学しましょう。
(1)道場の雰囲気
(2)どのような内容で稽古を進めているか
(3)自分の求めているメニューが稽古内容に含まれているか
(4)安全のための防具等はあるか
参加人数が少なくても、しっかりとした指導を行っている道場なら問題ありませんが、活気がある方がモチベーションを高めることにもつながりますので、参加者が多いに越したことはないでしょう。
あなたの目で実際に道場を見学して、その雰囲気を確かめましょう。
合う合わないは、そのときのあなたの直感で感じることかと思います。
40代から始めるとなると、若い頃と比べて体の無理が利かなくなりますので、万が一きつい場合でも、休憩を取らせてもらいやすい雰囲気であるかどうかも、確かめましょう。
多くの道場では突きや蹴り、移動などの基本稽古をまず行い、流派によっては型稽古や打撃技のコンビネーションの練習やスパーリング、そして約束組手や自由組手などを行います。
その中で、あなたに合ったメニューが稽古内容に含まれているかどうかを確かめてみましょう。
特にフルコン系の道場を選ぶ際、最初から防具なしでは、自分のすねやみぞおちに相手の攻撃が当たってしまったときに、非常に辛い思いをします。
そのため、少なくとも初級の間だけでも、防具装着が許されている道場を選びましょう。
こんな道場はやめよう
こちらがマナーを守って問い合わせなどをしているのにもかかわらず、応対が横柄な道場は、まず除外しましょう。
中には、幹部クラスの人が指導をせずにテレビゲームに興じていたり、ひどいときには、稽古そっちのけで酒盛りをしていたりするなどという道場も一部にはありますので、ご注意下さい。
また、基本稽古ばかりで組手の指導を十分行わずに「これで喧嘩も強くなる」「うちの道場に入れば、大会にも優勝できる」などという道場もやめましょう。
「通いやすいから」と上記のような道場を選ぶなら、少し通いづらい場所にあっても、しっかりとした道場を選びましょう。
まとめ
40代から空手を始めても、決して遅いということはありません。
先に述べた「3つの柱」に着目しつつ、あなたに合った、無理なく稽古のできる空手道場を選んで下さい。
最後に、空手だけにとどまらず習い事全体で言えるのですが、入門・入会後の最初の間に頑張りすぎて、後が続かなくなることが多いかと思います。
ですから、最初から頑張りすぎず、どうしても疲れたときや何かの用事で休まなければならないときには、稽古を休むようにしましょう。
あなた自身でうまくコントロールしながら、長く稽古を続けられるようにしましょう。