ラダートレーニングは、陸上競技や球技において取り入れられている、フットワークトレーニングの一種です。
空手でも、組手でのステップやポジショニングにおいて、フットワークは大変重要ですので、ラダートレーニングを取り入れる余地は、十分あります。
ここでは、空手においてラダートレーニングで期待できる、4つの効果について解説します。
まずは基本的な2つの効果から
ラダートレーニングとは、紐などで作られたはしご(=英語でladder/ラダー)状の器具を、床や地面に敷いて行う、フットワークトレーニングの一種です。
様々なパターンのステップの仕方があり、決められたステップを行う際、ラダーそのものを踏まずに素早く行うことが、このトレーニングの肝となります。
このラダートレーニングを空手に取り入れることで期待できる、基本的な効果は以下のとおりです。
(1)敏捷性
例えば、全空連ルールのように、遠い間合いから相手めがけて飛び込むような動作を練習する際に、特に効果があります。
必要なステップを再現しながら、ラダーを踏むことなく、決められた目標めがけて、より素早く飛び込むように行うのがコツです。
(2)リズム感
例えばフルコンタクトルールで、突き蹴りのコンビネーションにおけるフットワークを練習する際、スムーズな動作を身につけるために、効果があります。
リズムに乗った動きで、スムーズなコンビネーションを繰り出せる足捌きを、身につけることができます。
より高度な効果も期待
続いて、ラダートレーニングには、精度を高めたり体幹を鍛えたりするような、より高度な効果も期待できます。
(3)ポジショニングの精度
空手で組手を行う流派ならば、相手に対して的確に技を極めるための位置取りが、重要になってきます。
そこで、標的に対して、正しく素早いポジショニングを身につけるために、ラダートレーニングによる効果が期待できます。
誰かパートナーにミットを持ってもらいながら、ステップの練習をしたり、終着点にサンドバッグがあるようにラダーを配置したりして、練習を行います。
打撃を繰り出すタイミングは、例えばステップの合間や、ステップが終わった際など、自由にアレンジが可能です。
(4)体幹を鍛える
ラダートレーニングは、ラダーを踏まないようにしながら、素早いステップを行います。
しかし、その過程で、片足立ちの状態や、体が極度に傾くなど、不安定な姿勢になることが多くあります。
そのような体勢でも体をぐらつかせないように意識することによって、体幹を鍛えることができます。
まとめ
ラダートレーニングを空手に取り入れることで期待できる、4つの効果は以下のとおりです。
(1)敏捷性
(2)リズム感
(3)ポジショニングの精度
(4)体幹を鍛える
もしもすり足での練習を行う際、ラダーを蹴り飛ばしてしまい、うまく練習できない場合もあります。
その場合は、ラダーを使わずにテープなどでラダー状の線を引いて行うことも可能です。
ラダートレーニングは、カスタマイズとアレンジの自由自在なトレーニングですので、試行錯誤しながらも、ぜひご自身に合ったメニューを構築してみて下さい。