空手の受けの練習において使えるために着目すべき6つの打点

今まで伝統系の空手を習ってきてからフルコン系の流派に移ると、組手などで相手の攻撃をどう受けるか、戸惑ってしまう方が大変多いかと思います。

ここでは、伝統系の受けのままでは、なぜ組手などに対応できないか、そして対応するための受け方や着目すべき打点、それに則った練習法について述べてみたいと思います。

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伝統系の受けでは、ランダムな状況には対応できない

空手道場に入門すると伝統系・フルコン系問わず、必ず伝統の形式に則った突きや受け、蹴りなどの基本稽古を行いますが、稽古されている方はお分かりの通り、これらの基本稽古では全ての動作において、極度に低い重心かつ大振りの動作にて練習を行うかと思います。

しかし、基本稽古や約束組手で練習している中段内受けや中段外受けで、いざ組手となった際に、ワンツーの中段突きを交わそうとしても、すぐに次の攻撃が来てしまい、それに対処できないはずです。

また、下段受け払いで相手の前蹴りをまともに受けようとするならば、受けたこちらが自分の腕に大きなダメージを負いかねません。

もちろん、これらの動作は、古い時代の対武器や対多人数での戦いを想定し、また、受ける側もトンファーなどの武具を装着してこそ、これらの動作を生かすことができたのであって、その時代においては理にかなった動きであり、決して不合理なものではありません。

しかし、フルコン系での空手の流派における試合や組手などのように、素早い突き蹴りのコンビネーションが主体となったランダムな状況においては、それらの動作が対応できないものとなっています。

現在ではこれらの基本稽古での動作は、無理な姿勢をあえて行うことによる鍛錬の意味合いが強いので、「無理な動きで練習して、組手のときは自然体」という気持ちで稽古に臨むとよろしいでしょう。

着目すべきは「6つの打点」

今まで伝統系の流派で、空手の稽古を行った後にフルコン系に移り、組手やスパーリングなどの練習を行う際には、上段揚げ受け・中段内受け・中段外受け・下段受け払い・手刀受けなどの伝統系の受け方は、頭から取り去った方がよろしいです。

試合や組手の際、相手は隙あらばひっきりなしに、こちらを攻めてきます。

その攻めてくる相手をかわし、素早く反撃につなげるための受け方を行わなければなりません。

それらに対処するための「6つの打点」について、フルコン系での空手の試合で多い傾向にある攻撃部位を、大きく分けてみました。

(1)ボディへの突き
(2)(流派によりますが)顔面への突き
(3)ボディへの前蹴り・膝蹴り
(4)顔面への上段回し蹴り
(5)ミドルへの回し蹴り・回し膝蹴り
(6)ローやインローの回し蹴り

・(1)(2)の対処法

まず、(1)や(2)のような相手の突きに対しては、正中線を狙ってくる相手の拳の軌道を、パーリングで逸らすことが第一で、次の攻撃が来る間の瞬間にできた隙を狙って、がら空きのところに反撃を行えるようにしましょう。

フックが来た場合、ボディならば、掌底やもしくは自分の指を傷めないようにしっかりと指を揃えた状態で、自分の体の外側へ相手の拳を流すようにします。

また顔面ならば、相手の拳が狙ってくる側の側頭部を、同じ側の自分の腕でガードしましょう。

・(3)(4)の対処法

ボディへの前蹴りや顔面への上段回し蹴りの場合は、例えば相手が右足で蹴りこんできたならば、フェイントも来るかもしれないので念のため、自分の左腕で左側頭部をガードするとともに、構えている前足を引く、もしくはステップバックを行い、衝撃を和らげるために距離を稼ぐようにします。

同時に、こちらの右手の指を揃えて、相手の蹴りこんできた右足のくるぶしのところを、前蹴りの場合は外に掻き出す、回し蹴りの場合は下に払いのけるようにして、軌道を逸らせましょう。

相手が左足で蹴りこんだ場合は、その左右逆となります。

膝蹴りのような短距離からの攻撃の際は、自分の正中線を狙われないようにし、こちらも相手の右膝蹴りが来たならば、右手で指をしっかり揃えて外に掻き出す、あるいは間に合わない場合は相手の右腿を自分の右前腕でブロックするようにしましょう。

・(5)(6)の対処法

ミドルやローの回し蹴りは、自分のすねで受けるのが一番素早く受けられます。

ほとんどのフルコン系流派では、安全のため、レガースを装着して組手を行っているところが多いので、有段者や上級者になるまでは、あまりダメージを受けずに練習ができるでしょう。

回し膝蹴りが来た場合は、前腕で相手の腿をすぐにブロックして、一撃をもらわないようにしましょう。

捌きがルール上認められているならば、相手の弱いところに入ることのできるような足捌きをマスターしましょう。

誰かパートナーを組みながら、お互い攻撃する側と受ける側に分かれて、それぞれの打点ごとに、もしくはランダムに練習するとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

空手の受けの練習において、実際に使えるために着目すべき6つの打点と、それに即した動作や練習法について述べさせていただきました。

上記に挙げたそれぞれの受け方はいずれも、伝統型の受け方とは異なった小ぶりな動作のため、次の反撃につなげる態勢に移行しやすいようになっております。

まずは体にその動作を覚えこませることが、大変重要となってきますので、パートナーには最初は無理せずゆっくりと攻撃するようにしてもらってから、徐々に慣らしていくようにして下さい。

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