空手でよく行われる息吹の意味とやり方

空手の稽古でよく「息吹」というものが行われますが、何のために行うのか疑問に思われた方は、きっと多いかと思います。

ここでは、その息吹の意味とやり方について、説明していきます。

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息吹の意味には3つある!

空手での稽古メニューに含まれることの多い息吹。

しかしその息吹の意味までは、なかなか聞く機会が得られない方が多いでしょう。

息吹を行う意味については、以下の3つが挙げられます。

(1)体の中の古い空気を吐き切って、より多くの新鮮な空気を吸い込むこと

体の中の古い空気を、全て出し切るように吐き、新しい空気を深く吸うことによって、より多くの酸素を体内に取り込むことができます。

(2)呼吸に合わせて全身の筋肉を緩めたり緊張させたりすることによって、硬軟自在な筋肉を作る

人間は息を吸うときは、筋肉がリラックスした状態に、吐くときには筋肉が緊張状態になる傾向にあります。

ウエイトトレーニングでも、ウエイトを挙げる動作のときは息を吐き、下げる動作のときには、息を吸うのと同じ理屈です。

呼吸に合わせて筋肉の弛緩と緊張を繰り返すことによって、普段はリラックスしても、いざ戦うときには一気に緊張させることができるような、柔軟に対応できる筋肉を作ります。

(3)深く長い呼吸を行うことによる精神の安定

座禅でも、心を鎮めるために、深く長い呼吸を行います。

深く長い呼吸を行うことは、(1)で取り上げた意味合いの他にも、呼吸を整えることによって、精神を落ち着かせる作用もあります。

座禅と同様、呼吸によって心を落ち着かせるという意味合いも、息吹の意味に含まれています。

まずは無理せずに、腹式呼吸のやり方から始めよう

空手で行われている息吹は、実際には、息吹用の型の挙動の中で行います。

そして、その呼吸のやり方としては、以下の通りとなります。

(1)お腹の底(「丹田」といいます)に息を溜めていくように、鼻で深く息を吸う

(2)「カーッ」と声を出すようにしながら、口で強く息を吐き、吐き出すに従って全身の筋肉を締めながら、息を吐き切る

(3)上記(1)と(2)の手順を繰り返す

初めての方は、いきなり最初から強く息を吐き出すと、気分を悪くする恐れがありますので、まずは腹式呼吸を静かに行うことから始めましょう。

腹式呼吸のやり方

きちんと背筋を伸ばした、前後左右いずれの方向にも偏りのない姿勢でしたら、立った状態や座った状態、そして寝た状態でも構いません。

リラックスした状態で、息を吸うときも吐くときも、静かにゆっくりと深く長い呼吸から始めましょう。

そのときも、息を吸うときは丹田を意識しながら、お腹の底に息を溜め込むようにして、鼻から吸い、息を吐くときは口から吐きましょう。

だんだん慣れてきたら、徐々に息を強く吐き出すとともに全身の筋肉を締めていきましょう。

「カーッ」と強く息を吐き出せるようになったら、以下の立ち方とやり方で行うようにしましょう。

簡単な息吹のやり方

(1)立ち方
・両足を肩幅に開いて立つ
・そのとき爪先はまっすぐ、あるいは少し内側
・両足の膝は気持ち曲げて、軽く重心を落とす

(2)手の構え
・最初は両手を軽く握って拳を作る
・肘を曲げ両手の拳を縦にして、それぞれの側の腰骨あたりで構える

(3)挙動
・鼻で深く息を吸う際、両腕を上げながら、顔の前でクロスさせる
・口で強く息を吐く際は、吐き出すにつれて、全身の筋肉を締めながら、クロスさせた両腕を(2)の構えに戻す
・吐き切ったときには全身の筋肉が緊張状態になるようにする
・以上を繰り返す

呼吸の際は、常に丹田を意識するようにして下さい。

まとめ

簡単に言うと、深く長い呼吸による心身の調整が、息吹の意味となります。

上述でご紹介した方法は、あくまでも一番簡単なやり方です。

実際に空手道場で行われている息吹は、様々なバリエーションの型があり、その中で行われています。

もしも、息吹についてもっと深く学びたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ、お近くの空手道場でしっかりとした指導者から学ぶようにしましょう。

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