空手と同様「一撃必殺」で知られる、形意拳。
太極拳、八卦掌とともに、内家拳の代表格と言われています。
シンプルな動作から、非常に大きな威力を生み出す技が特徴です。
ここでは空手道に、その形意拳の要素を取り込むことは可能かどうかについて、解説します。
形意拳とは何か?
空手道に形意拳の要素を取り込むことができるかどうかについて解説する前に、初めて聞く人のために、形意拳とは何かについて説明します。
清朝末期に、李洛能によって戴氏心意拳をベースにして作られたと言われており、李の高弟たちによって伝承され、現在に至っています。
シンプルな動作ながらも、大きな威力を発し、空手同様「一撃必殺」と呼ばれております。
勁力(気の力)を用いているのが特徴で、陰陽五行思想に基づいた気の哲学を、その原理としています。
形意拳では、12種類の動物の戦い方の特徴を基にした「十二形」や、陰陽五行説に基づいた「五行拳」が特に知られており、その他様々な武器術も伝えられております。
空手道に形意拳の要素は取り込めるか?
空手道に形意拳の要素を取り込めるかどうかですが、少なくとも技術面においては、難しいと言ってよいでしょう。
形意拳において構え方や立ち方、ステップ、そして技に独特なものがあり、それらをそのまま持ち込むには無理があります。
ただ、寸勁あるいは発勁の技術に関しては、ショートレンジからの攻撃のバリエーションの1つとして、取り込むことができるでしょう。
体得できれば、小さなモーションで、相手に対して、大きなダメージを与えることができます。
形意拳のベースとなる陰陽五行説の考え方は、「道」としての空手道の、心技体を養うための思想として、取り込むことが期待できます。
自然界が「木」「火」「土」「金」「水」の5要素から成り立ち、相互において「相生」「相剋」「比和」の3つの相関関係が成り立つという発想は、人間の心身にも応用が利き、そのバランスを整えるためのヒントとなりえるでしょう。
空手道において、自らの心身の鍛練ばかりでなく、組手の際、相手の心身の動きを読むためにも、その応用が期待できるでしょう。
まとめ
空手道に、形意拳の要素を取り込めるかどうかについて、技術的な面においては、一部の技を除いて取り込むことは難しいと言わざるを得ません。
しかし、ベースとなる陰陽五行説の思想を取り入れることによって、形意拳のエッセンスを、心身を鍛えるために応用することは可能です。
陰陽五行説の5要素と、その相関関係を深く掘り下げて、空手道をより武道たらしめることが期待できるでしょう。
