空手において、自分の弱点を克服するために、自主練習の時間を設けていらっしゃる方も多いことかと思います。
しかし、いくら練習メニューを試行錯誤しても、なかなか成果が上がらないとお悩みの方も、きっといらっしゃるに違いありません。
そこで、そんな方のために、より効果的な練習メニューを考えるヒントとして、着目すべき「4つの改善サイクル」について、ご説明いたします。
まずは記録に残して問題点を把握
練習メニューの効果が上がらない方の、最大の問題点は「十分に現状を把握できていない」ということに尽きます。
自分の弱点について「何となくこうだと思う」というような、あやふやな見解を排除して、具体的な言葉で表現できるレベルまで掘り下げるようにしましょう。
そのためには、日誌をつけるなどして、日々の稽古の記録をつけましょう。
その中で、新たに学んだことや、うまくいった部分、苦手な部分、そして稽古中の心境や感じたことなどを、書き留めるようにしましょう。
後でそれらの記録を振り返り、繰り返し行われる稽古内容の確認や、うまくいかなかった点についての反省材料として活用しましょう。
その積み重ねから、明確な問題点を把握することができるようになり、はじめて効果的な練習メニュー構築への第一歩を踏み出せるのです。
問題解決のための「4つの改善サイクル」とは
自分の空手での弱点について、具体的な問題点が把握できたら、それを「4つの改善サイクル」に乗せましょう。
企業にお勤めの方でしたら「PDCAサイクル」はご存知のことでしょう。
空手の練習メニューにおいても「PDCAサイクル」を取り入れて、効果的な弱点の克服に役立てましょう。
以下にその内容や具体例を解説します。
・P:Plan(計画)
先で述べた記録を元に練習メニューを計画し、その中で練習内容や、それぞれの種目ごとの練習量や時間などを定義します。
・D:Do(実行)
「Plan」の項で定義した練習メニューを実際に行ってみます。
そのときの様子なども、メモに取るなどして記録をつけるとよいでしょう。
・C:Check(評価)
「Do」の項で、ある程度の期間、もしくは何か気づいたことがあった時点で、その成果や問題点について、評価しましょう。
たとえば「上段回し蹴りの練習の際、軸足のブレが思ったほど改善されない」とか「もう少し基本の練習を増やした方がいい」などと、具体的なレベルまで把握しておきましょう。
・A:Action(改善)
「Check」の項での反省を生かして、改善策を練り、次のPDCAサイクルに移行します。
そして次の「Plan」の段階で、改善策を盛り込んだ内容で練習メニューを計画し、以後、同じように繰り返します。
まとめ
「Plan」の段階では、決して高望みはせず、実行可能な範囲内で計画を立てるようにしましょう。
「PDCAサイクル」を繰り返すことによって、改善のスパイラルが生じ、その練習メニューもより充実したものとなりますので、空手における弱点の克服のために、大いに役立つことでしょう。