極真を始めとするフルコン系の空手では、稽古の中で必ず、受け返しの練習を行います。
ではなぜフルコン系では、これほどまでに、受け返しを重視するのでしょうか?
ここでは、その理由について、受け返しの練習を行う際の注意点とともに、説明していきます。
目次
なぜ受け返しが重要か
それでは、フルコン空手において、なぜ受け返しが重要なのか、解説します。
相手の攻撃を絶えず確実に受け、ダメージを受けないようにするため
フルコン空手の組手では、非常に間合いの狭い接近戦となります。
また相手はコンビネーションを使って、絶えず連打を仕掛けてきます。
相手からの攻撃でダメージを受けないようにするためには、コンパクトな動作で素早く受け続ける必要があります。
受けたら即反撃に転じるため
フルコン空手での組手において、約束組手のように、受けてからワンテンポ置いての反撃では、相手からのひっきりなしに攻めてくる突きや蹴りには、到底間に合いません。
むしろ受けながら反撃するぐらい、素早く反応できなければなりません。
それを受け返しの練習を繰り返すことによって、体で体得することができるのです。
自ら攻撃のチャンスを作るため
受け返しのテクニックを極めると、相手の攻撃をうまく流して相手の体勢を崩したり、ガードをガラ空きにさせたりすることも可能となります。
そうすることによって、相手のガードの甘いところを作り出して、そこを攻めることも可能となり、戦い方もより積極的なものとなります。
受け返しの練習を行う際の注意点
フルコン空手での受け返しの重要性を説明したところで、受け返しの練習の注意点についても、説明します。
てきぱきと受ける
フルコン系の空手では、接近戦にて相手からの素早く重い突きや蹴りが、容赦なく襲ってきます。
普段の約束組手で行うような1挙動ずつの動作では、相手の攻撃にはとても追いつけません。
しかも相手はあなたを倒すまで、コンビネーションを使って、執拗に攻めてくるでしょう。
てきぱきとリズミカルに、1発受けることができただけで安心せず、相手の次から次へと来る攻撃を受け続けましょう。
受けたら素早くコンビネーションで返す
相手の攻撃を受けて、隙を見つけたら、素早くこちらも、コンビネーションで返しましょう。
受けてばかりでは、相手も攻めてくる一方です。
相手もコンビネーションであなたを翻弄させ、隙を見計らって痛烈な一撃を仕掛けてくるでしょう。
ですから、受けてばかりではなく、積極的に攻めに転じましょう。
ただ受けるだけではない
ただ受けるだけでなく、受けと同時に、自ら相手の隙を作っていきましょう。
相手に対する自分の位置取りや受け方、受けも混ぜたコンビネーションなどを工夫する必要があります。
このテクニックは「常勝集団」と称された、極真城西支部のビデオなどに、数多くのノウハウが詰め込まれていますので、機会がありましたら、ご参考になるとよいでしょう。
まとめ
受け返しは、お互い接近戦で打ち合うフルコン空手においては、俊敏な受即攻のためにも、大変重要なものとなっています。
しかし、何が来るか分からない相手の攻撃を的確に受けて反撃に移すことは、かなりの熟練を要します。
そのためには、相手の体の初動で何が来るのか、その判断ができるようになるまでを目標に、反復して練習を行うようにしましょう。