空手とキックボクシング、回し蹴りにおける3つの違い

空手の回し蹴りとキックボクシングの回し蹴りは、一見同じように見えますが、細かい部分において違いがあります。

ここでは、空手とキックボクシングの回し蹴りにおける、3つの違いについて説明していきますが、まずは、キックボクシングについて解説します。

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意外と知らない人も多い?キックボクシングは日本発祥の格闘技!?

空手とキックボクシングにおける回し蹴りの違いについて解説する前に、ここでは、意外と知らないキックボクシングの歴史について簡単に解説します。

キックボクシングは、1966年(昭和41年)に、ボクシングプロモーターの野口修氏によって、初興行が行われた、比較的歴史の新しい格闘技です。

参考となったムエタイとの類似性から、ムエタイと混同している方も多いようですが、れっきとした日本発祥の格闘技です。

ムエタイとの大きな違いは、キックボクシングでは空手やボクシングからも立ち技を取り入れている点と、ムエタイで認められている首相撲や肘打ちが禁止されている点です。

次の項では、そのキックボクシングと空手の回し蹴りにおける、3つの違いについて解説していきます。

空手とキックボクシングの回し蹴り、その3つの違いとは?

それでは、空手とキックボクシングの回し蹴りの、3つの違いについて解説します。

膝の抱え込みの有無

空手の回し蹴りは、一度膝を抱え込むように上げてから蹴り込みますが、キックボクシングの回し蹴りには、膝の抱え込みがありません。

そのため、後述する蹴りの軌道においても、空手とキックボクシングでは異なります。

蹴りの軌道の違い

空手の回し蹴りは、打ち下ろすようにして蹴り込みますが、キックボクシングでは、脚全体を跳ね上げるようにして蹴り込みます。

空手の回し蹴りをムチに例えるならば、キックボクシングの回し蹴りは、棒やバットのイメージとなります。

空手の回し蹴りは、腰の回転力が、打ち下ろした脚の重みに加わることによって、誰でも威力のある蹴りを出せる反面、挙動が多いことによるスタミナロスが大きいことが欠点です。

一方、キックボクシングの蹴りは、少ない挙動によってスタミナロスが小さい反面、威力のある蹴りが出せるようになるには、ある程度の身体能力と熟練を要するのが欠点です。

また空手の回し蹴りでは、膝の抱え込みがあるために、相手との間合いが近くても遠くても、ある程度は自在に蹴り込める利点があります。

さらには中段蹴りと見せかけて上段を狙う、というような、フェイントをかけることも可能となります。

ローキック(下段蹴り)を狙う部位の違い

空手での下段蹴りでは、腿側面の膝に近い部位を狙いますが、キックボクシングでは、同じ腿側面ではありますが、比較的上の位置を狙う傾向にあります。

そのことは、先述のとおり、膝の抱え込みがあるかどうかによる違いから来るものであります。

空手の蹴りでは、その部位が急所に相当することもあって、ある程度練習できれば、誰でも効かせられる蹴りを出すことが可能となります。

まとめ

一見同じ回し蹴りのようではありますが、空手とキックボクシングでは、以下の3つにおいて違いがあります。

・膝の抱え込みの有無
・蹴りの軌道
・ローキック(下段蹴り)を狙う部位の違い

いずれも、両者の成立過程から始まり、その後試合時間やルールなどに則して進化を遂げてきた結果、これらの違いが生まれてきたのです。

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