空手の挨拶はなぜ「押す」に「忍ぶ」?やり方は?その意味は?

「おす」とは何?どうして「押す」に「忍ぶ」?

空手での挨拶としてよく知られる「押忍」ですが、なぜ「おす」と言い、なぜ「押す」に「忍ぶ」と書くのでしょうか?

その由来について簡単に述べてみたいと思います。

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由来には諸説あり

一般的には、旧海軍時代の「おはようございます」の挨拶が縮まって「お」と「す」だけが残ったという説や、江戸時代に佐賀の藩校において、若い武士たちの間の挨拶として、すでに存在していたという説があります。

他にも、戦前、京都の武道専門学校の間で生まれた挨拶という説や、拓殖大学において相撲の心得より生まれたという説もあります。

なぜ「押す」と「忍ぶ」を当てたの?

上述の拓殖大学から由来する説では、相手からの「押す」攻勢にじっと耐える意味の言葉「忍す」が元になっているそうです。

「忍す」と書いて「おす」と読むそうで、そういえば、山梨県にある忍野八海って「おしのはっかい」と読みますね。

もしくは、諸説から生まれた挨拶の言葉「おす」に、以下のように漢字と意味を後付けした、という説もあります。

【押す】…自我を抑えること

【忍ぶ】…我慢すること

つまり「自分の自我を抑えて、どんなに辛い稽古でも耐え忍んでいく」という意味ですね。

空手以外の武道では、例えば、合気道の一部流派において、また広く知られるところでは、応援団においても使われる挨拶です。

空手での「押忍」の意味とそのやり方は?

空手で使う「押忍」の意味とは?

空手では、「おはようございます」「こんばんは」「失礼します」「お願いします」「ありがとうございました」などの前につけて、例えば「押忍、おはようございます」や「押忍、失礼します」などのように用います。

また、受け答えの返事として「はい」に代わって、頻繁に用いられます。

これまで、受け答えの際に「はい」で馴染んできた皆さんにとって、入門した最初のうちは、大変戸惑うかもしれません。

けれども、指導される先輩方も同じように仰ると思いますが、「押忍」での受け答えには、そのうちに慣れていきます。

「押忍」のやり方は?

稽古前・稽古後などの、道場への入退室時や、組手や試合での礼を行う際に、頭を下げる代わりに行われる礼法として、そのやり方がありますので、解説します。

(1)自然立ちになって拳を握り、両方の拳を自分の腰骨あたりの高さで構えます。

(2)拳は握ったまま、両前腕を自分の顔の前で交差させ、それから拳を(1)の位置へと戻す、その一連の動作をしながら「おす!」と元気よく声を発します。

流派や道場によって微細な点は異なるかもしれませんが、大方このような流れとなります。

「押忍」を使わない流派もある

上述のように、これらの挨拶のやり方は、空手の世界独特のものであり、実社会では使われないものです。

皆さんは空手といえばやはり「押忍」という挨拶をするものだと思われがちですが、「押忍」を使う流派は意外と限られています。

主に「押忍」は、極真系の流派と松濤館系の一部を中心に使われていますが、社会に通用しない挨拶のやり方のため、大多数の流派においては、受け答えは「はい」、挨拶は「お願いします」「ありがとうございました」などの一般的なものを用いています。

一般的な挨拶を用いる流派の中には「押忍」を全面禁止しているところもありますので、入門の際、挨拶のやり方については、十分確認しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

空手での挨拶として使われる「押忍」のその由来、そしてそのやり方と意味について、簡単に述べさせていただきましたが、必ずしも全ての流派・道場において使われるわけではありませんので、その点に関しては十分ご注意下さい。

入門された際には、その道場で使われる挨拶や受け答え方に合わせるようにして下さい。

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