空手の型と組み手、その違いと関連性について

空手の稽古において、「型と組み手は両輪である」と言われておりますが、特にフルコン系や硬式空手の流派の場合は、組み手を重視しているところも多く、今一つピンとこない方も多いことでしょう。

ここでは、空手における型と組み手の違いと関連性について、述べてみたいと思います。

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空手の型とは?組み手とは?

型について

空手における型は、決められた順序に従って、突きや蹴り、受けなどの技を出していくという一連の流れであり、一人で行う稽古方法です。

数多くの型があり、それらを繰り返し練習することによって、姿勢や動き、体の使い方を体得していきます。

その中で鍛錬的要素として、極端に重心の低い立ち方を行ったり、振りの大きい動作を取り入れて、あえて動きづらくしたりしています。

組み手について

組み手は2人1組で行い、攻撃側も、それを受け返す側も、決められた技で行う「約束組み手」やお互い自由に技を出し合う「自由組み手」、そして「自由組み手」を競技化して勝敗を決める「組み手試合」に分けられます。

約束組み手は一般的には、動きが型のそれと近いですが、自由組み手になると、その流派が取り入れているスタイル(寸止めや直接打撃制など)に対応したものになるため、動きが型のそれとは違ってきます。

特にフルコンタクト系や硬式空手になると、その乖離は大きなものとなります。

型と組み手、その違いと関連性とは?

型と組み手の違いについて

空手の型は、その昔、人々が武器を持ちながら、あるいは馬に跨った状態で戦っていた時代の動き方が基となっています。

それらを一人でシミュレーションしながら、動き方や呼吸などを練習する手段として、伝承されてきました。

しかし、現在の組み手試合のスタイルは、寸止め・直接打撃制問わず、自らの手足のみで闘うことが前提となっているため、型での動作が活かされにくくなってきています。

型と組み手の関連性について

組み手を重視している流派でも、型稽古を行っているところも、一方では多くあります。

伝統の保存という意味合いもありますが、基本稽古とともに、空手らしい体の使い方や姿勢を身につけ、あえて負荷のかかる動作を行うことによる鍛錬の目的もあります。

低い重心を維持しながらの突き蹴りや受けなどの一連の動作は、肉体面においてハードであり、また息も上がり、スタミナも消耗します。

しかし、型や基本、約束組み手で正しい動きを身につければ、自由組み手や組み手試合において、各々が自然体で闘っても軸がブレず、キレや威力のある動きが得られるのです。

まとめ

時代背景や闘いのスタイルが、型が生まれたころと現代では、がらりと変化しており、型の動きが自由組み手や組み手試合には、そのまま応用することができません。

しかし、型の稽古を行うことによって、闘いに対応できる肉体を作り、闘い続けることのできるスタミナを養うことができるのです。

「型で技を体得し、組み手で体得した技を使う」

型と組み手をバランスよく稽古して、自らの空手の上達のための両輪たるべく、活かしたいものであります。

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