多くの皆さんは、空手というと「フルコンタクト空手」と「伝統空手」の、2つの違いがあることは、すぐにお分かりかと思います。
しかし、フルコンタクト空手以外の伝統空手も実は、大きく分けて2つの流れに分けることができます。
ここでは、その2つの大きな流れとともに、その違いについても、解説していきます。
常に自らと向き合いオリジナルを貫く~沖縄三大流派~
空手のルーツは、沖縄において、固有の武術「手(ティー)」と、中国拳法などが融合されて「唐手(とうで、もしくはトゥーディー)」が誕生したのが始まりです。
その「唐手」を受け継ぐ主な流れとして、下記に示す沖縄三大流派が挙げられます。
・上地流
・剛柔流
・小林(しょうりん)流
これらの流派は、首里手・泊手・那覇手の、唐手の三大系統を受け継ぎ、型の伝承とその研究を重視しています。
稽古はあくまでも型稽古と、拳や肉体の鍛錬がメインで、フルコンタクト空手・伝統空手問わず、本土の空手とは大きな違いがあります。
沖縄三大流派の空手においては、それらを通して常に自己を見つめ、じっくりと技を練り上げていくスタイルを取っています。
競技としての空手にはない、そのスタイルに魅せられて、海外からもあえて沖縄まで学びに来られる方も多いほどです。
実践性と安全性との両立を目指して~空手四大流派~
空手四大流派と呼ばれる各流派は、戦前に沖縄から本土に渡ってきた唐手の達人たちが、本土の人々に伝承する過程において、本土の柔術なども取り込んで、独自の解釈を加味しながら発達していきました。
そのため、沖縄オリジナルの流派とは別の、進化を歩んできています。
下記がその四大流派に当たる、各流派です。
・剛柔流
・糸東流
・松濤館流
・和道流
これら四大流派を中心に、戦後になって大同団結して生まれたのが「全空連」です。
空手は打撃による、相手の体への接触がある以上、安全性との両立が大きな課題でした。
空手の持つ勝負性を、安全な形で再現するために生まれたのが「寸止めルール」の「ポイント制」です。
これにより、フルコンタクト空手とは違った形で、競技としての空手が進化したのです。
まとめ
フルコンタクト空手の各流派も含めて、空手にはその流派ごとに、多種多様な思想が盛り込まれ、それぞれに違いが見られます。
創始者の想いにより、古流の様式を伝承する流派から、総合格闘技志向を目指す流派まで、様々な方向性があり、どの流派にも優れている点があります。
その優れている点と、ご自身の空手への想いが一致する流派を選ぶことによって、より豊かな空手人生を送ることができるでしょう。